戦術の統一

戦いは統一された戦略で戦わねばなりません。でないと対外的な力になりません。
バラバラな力は力が味方の行為を打ち消す形で働く為に対外的な力にならないのです。
戦いにおいて上官の命令が絶対でなければならない所以です。
しかし私達はバラバラで統一された組織とはなっていません。
それでも戦いは統一された戦略で戦わねばならないという基本は変わりません。
ではどうやって統一された戦いをするか?
味方の考えを読む事でそれを行うのです。
味方の内の力のある者の戦略に他の者が合わせる事で統一を図るのです。
個々にこうした方が良いという考えがあるでしょうけど、
それで個々がバラバラに動いたのでは力にならないのです。
自分の考えは抑えてリーダーの決めた戦術に従う。
これでなければ戦いには勝てません。
多人数での戦いでは自分の考えは後回しにしなくてはならないのです。


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さて、安倍総理と中川政調会長

日本には日本の専門家の立場から判断した、歴史というものが歴史学に基づいてあるんですよ。政治が決めるんじゃないんですよ。それを今共同研究をやりましょうと言ってるのですから
政治家がとやかく歴史の事を判断してはいけません
(4/15 報道2001 中川昭一7:46)

上記は中川昭一政調会長報道2001での発言です。そして下記は安倍総理の総理就任間もないころの平成18年10月3日の国会答弁です。

靖国神社の戦争観、歴史観、私の靖国神社参拝についてお尋ねがありました。 政治家の発言は政治的、外交的な意味を持つものであることから、特定の戦争観、歴史観の是非について政治家が語ることについては謙虚であるべきだと考えております。」

「そうした歴史の出来事一つ一つの分析についてはですね、それを分析することは私は政府の役目ではないと考えております。まさにそれこそ歴史家が資料を集め、証言を集めながら分析していくことではないかとこのように考えております。」

「当時の色々な決定、出来事についてはですね、例えば当時の日本を巡る状況や国際社会の状況もあるでしょうし、どういう時代であったかという分析も必要でしょうし、歴史は連続性の中で見ていくことも大切ではないかと。ですからそういう事象について今ここで政府としてそれはどうだったかということを判断する立場にはないという事でございます。つまり一定の、政府としてこういう考え方に立って、歴史を判断するという事は、私はしないという事でございます
まあ、共産党としてはマルクス史観に立って全てを決めていくということかも知れませんが、こういう事柄については先程来申し上げてるように正に歴史的な分析を政治家がするべきではないかと思います。」


安倍晋三中川昭一も言ってる事は同じです。
「政治が歴史を決めてはいけない」
これです。安倍晋三及び中川昭一は安倍政権発足当初から一貫してこのスタンスで発言してるのです。安倍政権が歴史問題で行うのは歴史認識に対する政治的な縛りを解くことです。政治的な縛りを解くことですから安倍政権が歴史を定める事はありません。政府が主導して歴史認識を正すことを期待してる人が多いようですが、安倍政権がそれを行うことはありません。中川昭一が総理となってもやらないでしょう。
政府主導で歴史認識を正すことを期待してる人、頭を切り替えて下さい。
「政府は歴史を決めない」
これを変えられない条件として戦略を立て直して下さい。


政府が歴史を決めないといい、右派が政府に歴史を決めろと求めると、政府と右派の戦いになります。潰しあう事になります。しかし、政府は歴史を決めないと言ってるのだから右派は政治に囚われる事無く自由に主張出来るのだと考えると、政府は右派の主張の自由を保障する右派の後ろ盾と考える事が出来るようになります。右派に対しての反日勢力の政治的な締め付けは政府が防ぎ、右派がこれまでに囚われず歴史認識に対する主張をするという役割分担での共闘が出来るようになるのです。政府と右派が協力して反日勢力に対峙出来るようになるのです。頭を切り替えて下さい。


以下は過去に私が書いたもので今回と同じことをより詳しく書いたものです。これらを参考に考えてみてください。

歴史認識を正すのは民間の仕事
http://d.hatena.ne.jp/sadatajp/20061016/1169410158

安倍総理の歴史問題に対する戦略
http://d.hatena.ne.jp/sadatajp/20061017/1161080757

安倍総理歴史認識に対する戦略(補足)
http://d.hatena.ne.jp/sadatajp/20061023/1161608401


人気blogランキン

私自身の考える歴史認識に対する戦略は安倍総理と同じものではありません。
しかし安倍総理がこの戦略で行く以上私はそれに合わせなければならないと考えます。
違うゴールを目指してるなら合わせませんが、ゴールが同じなら戦術の違いには拘りません。