「大事」という動機と「不満」という動機

◆大事だという想いは動機になる。
大事だと思えば守りたいと思う。
守りたいと思えばそれを壊そうとする者と戦おうという気にもなる。
壊されそうだとなれば壊されないように行動を起こそうという気にもなる。
また、行動することで守ろうとしてるという充実感を生む。これは喜びとなる。


大事だと思い喜びを感じることで失いたくないという心、執着心が生まれる。
執着心は諦めない心になる。執着心は困難に屈しない強い心を生む。
困難に自ら挑む時、人は高揚感を感じる。この高揚感は喜びとなる。


その大事なものに対する執着心を高めることは他のものに対する執着心(拘り)を減じる。
大事なものを守る為なら他のものを犠牲にしても構わないという気持ちにさせる。
それが細部に拘らない大らかさを生む。
大事なものを壊すものに対しては敏感だけどそうでないものには拘らない。
大事だという思いが強ければ自分自身に対しても拘らなくなる。
自身を犠牲にすることの痛みが大事なものを守ってるという実感となり、喜びとなる。


これらの喜びが大事だと思うものへの拘り(執着心)を高め、より大事だという想いを強める。
動機はより強くなり行動を後押しする。
行動に喜びが伴うから自ら進んでやりたいと思う。
やりたいという衝動が後押しとなって普段以上に頑張れる。
飽くことなくいつまでも頑張れる。



◆不満も動機となる。が・・・


不満があるというのは苦しいからその不満から逃れたいと思う。
逃れる方法は三つ。逃げる。不満の解消。目を背ける。


一番の方法は「逃げる」。不満を感じないですむところに逃げる。
出来るのであれば当人にとってはこれが一番いい。
しかし現実問題としてそう簡単に逃げられなかったりする。
逃げられるものなら逃げてる。逃げてるから不満に思わない。
よって不満に思うのは逃げられない時。「逃げる」は選べない。


二番目が「不満の解消」。解消すれば不満がなくなるのだからこれを目指す。
不満の解消とは不満の基の解消。それは不満の基への攻撃となって表れる。
この攻撃には不満の基からの反撃があり苦しみが伴う。
苦しいので本当はやりたくない。やらないで済むものならそうしたい。
そう思いつつも何とかしたいと思って自らを奮い立たせて頑張る。


不満が解消出来るという希望があれば頑張れもするが、
到底解消出来そうにないとなれば苦しいだけに不満が余計に高まる。
人間不満が高じるとそこら中に当り散らすようになる。
当り散らせば反発も返ってくる。それが更に不満を高じさせる。

不満は解消されず高まるばかり。
こうなると最後には気持ちが切れて諦めてしまう。
この諦めが第三の「目を背ける」に至らせる。
目を背けたとしても不満の基は傍にあり続けるので気になり苦しいのだが、
諦めがこの気になる苦しさを仕方がないものと受け入れさせる。
諦めによって動機は無くなり行動は止まる。



以上はこうだとこうなるという話。良いも悪いもない。右左関係無い。全ての人に共通する話。物事を考える際に踏まえるべき基本。