「反人権思想」の正体

サヨク向け「反人権思想」の解説の続きです。


人権思想とは違う「反人権思想」を人権思想の基本となってる“権利”で説明しようと足掻いてみたのですが、どうにも無理で諦めました。少々無理やりでもなんとか出来ないかとやってはみたのですが、言葉としておかしなものになってどうにもなりません。部分的なら出来もするのですが全体として整合性の取れたものにならないし、但し書きが多くなり過ぎて何書いてるかわからなってしまいます。だいたい権利で考えてないのだから権利で説明するなんて無理。なので大元の人権に相対する言葉はないかと見回してたどり着いたのが「尊厳」。少し違う気もしてるのだけど今回はこれで


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■尊重すべきは人権ではなく人の尊厳


 人を考える頭も感じる心も持った人間として扱うこと。
 自立する力を持った人間なのだと認めること。
 人を或いは自立する力を秘めた人間なのだと認めること。


これが基本。
これを基本とする認識からすべきことが次のように導き出される。

助けてあげるのでなく任せてあげる。
代わってやってあげるのでなく、極力手出しせず信じて任せる。
求めに応じる力を持った人間として相応の要求をする。
責任を果たせるだけの力を持った人間として責任を果たすことを求める。


そしてこの逆が人の尊厳を尊重していないものになる。人の尊厳を尊重しない、つまり侮辱・侮蔑・軽蔑・軽視になる。


任せず手出しするといのは信じてない証拠。任せてたらどうにもならないと見切ってる証拠。軽蔑。認めれば認めるほどより大きな仕事を任せるはずで、より大きな責任を負ってもらおうとするもの。よって逆の責任を負わせないというのは認めてない証拠。軽視。責任取らなくていいなんていうのは無能者と見下してる証拠。この者には任せられないと見切ってる証拠。侮辱・侮蔑。これらがすべきでないことになる。
自分で出来ると思ってるのに心配されて手を出され、信用されてないと感じて悲しくなったり腹が立ったりした経験が誰にもあるはず。それを思い浮かべてもらえればわかるはず。


相手は自身で自立する力を秘めてる人間なのだと認めることこそがまずすべきこと。相手は自分で出来る。よって手出しは相手の自我の発露を阻害する行為となる。だから極力手出ししない。助力は自我の発露を促す為のものだけに留める。これが尊厳の尊重の仕方となる。
面倒見の良過ぎる福祉・過保護な教育などは、余計なお世話、無用な手出しということになる。未熟な者に対しては手助けも必要になるだろうが、それにしても成長を促す為だけに留め、極力当人にやらせる。任せる。


失敗したらどうするのか? 
大丈夫、自分で始末がつけられる。その失敗を糧に成長する。


辛い目や苦しい目にあって悲しんだらかわいそうではないか?
大丈夫、乗り越える力を持ってる。嘆き悲しんで潰れたりしない。

そう考え、そう信じて任せる。手出しを控える。相手を能力ある者と認め、相手の能力を最大限に見積もり、それでも手に負えるものではないとなれば助けも必要。しかしやれば出来ると思われるなら手は出してはいけない。あえて突き放しもする。手助け無しでもやれるはずだと突き放す。やれば出来ると信じて突き放す。相手は自力で学び成長する。それを信じて任せる。それが一人前に考える頭も感じる心も持ちうる可能性を持った人間として遇するということ。これが未熟な者に対する尊厳を尊重した扱い方ということになる。

未熟な者にいきなり全てを任せることは出来ない。でも任せられる部分は任せる。徐々に任せる範囲を広げていく。そうして手助け無しで自立出来る一人前になった者を、今度は一人前に考える頭も感じる心も持った自立した人間として遇する。これが一人前に自立した者に対する尊厳を尊重した扱い方ということになる。


簡単にまとめて言ってしまうとこれ。
「人を人として扱う」
人の権利を尊重する人権思想に対して、人そのものを尊重する。
これが人権思想とは違うネットウヨク側の考え。のベースにあるもの。
個々のネットウヨク自身が自覚してるかどうかはともかく。


ネットウヨクが拉致問題に怒りチベット問題に怒るのは人が人として扱われてないから。中国共産党北朝鮮金正日体制を嫌うのは人を人として扱わない政権だから。ネットウヨクも人権尊重と言ってはいるが求めてるのは人権と言う権利の尊重ではなく、人を人として扱うこと。「人を人として扱う」。これが基準。
私としては人権尊重なんて言い方せずとも「人を人として扱え」で十分だと思う。なので私は人権を尊重しろとは言わない。人権侵害するなとも言わない。


サヨクは人権に伴う権利が尊重されてるか、人権に伴う権利の行使が可能かどうかを問うが、ネットウヨクは人が人として扱われてるかどうかを問う。ネットウヨクが「人権」を忌み嫌うからといって非情な人でなしというわけでは決してない。





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