新自由主義vs民族派、キーワードは「調整」

自由主義で最優先なのは自分です。自分が最優先ですから、自分がやりたいことが出来る自由を求めます。そして自身の言動は、自身の望みで定めます。周囲への配慮は希薄ですし、全体の調和も考えません。


日本文化での最優先は全体の調和です。日本文化の復権を願う民族派もこれになります。全体の調和が最優先ですから周囲の人々と合わせることを求めます。自身の言動は、自身の望みでなく、全体の調和が取れるものかどうかで定めます。やりたいことでも全体の調和を乱すのであればやりませんし、やりたくないことでも全体の調和を壊さない為にやることにもなります。自身は二の次、三の次です。そこには自分がやりたいことが出来る自由なんて概念はありません。個人としての他人も二の次、三の次です。全体の調和の為には我慢しろと抑えます。個人の自由を尊重するなんて考えはありません。



自由主義新自由主義) :個人の自由最優先で、調和は気にしない。


調和最優先の者(民族派):全体の調和最優先で、個人の自由気にしない。


両者にはこういう違いがあります。この違いが揉める元になります。





■「迷惑だ!」
調和最優先の者は、全体の調和を考えて、常に全体を見て、全体や自身の調整をしています。そんな調和最優先の者にとって、調和を壊されるってのは実に迷惑なことです。乱れた調和を整える為に、全体の再調整をしなければなりません。自分の言動も調整し直さなければなりません。身勝手に振舞う者の所為で、そんな余計な手間を強いられます。こういう手間を掛けさせられるから「迷惑だ!」という言葉になります。



■「勝手なことするな!」「身勝手な奴だ」
日本文化においては、やりたいことをやるときには、事前に周囲の承認を得ることが求められます。いわゆる根回しです。「やっていい?」と聞いて、「いいよ」と承認を得てからならやって構いません。承認を得ずにやると「勝手なことをするな!」と怒られます。怒られないにしても「身勝手な奴だ」との評価を得て、嫌われます。承認を求めてくれば簡単に許すようなことでも、承認を得ずにやると勝手だと言われます。やることは同じでも、事前に承認を得るか得ないかで、「いいよ」になったり「勝手だ!」になったりします。
 何故そういうことになるかと言えば、事前に耳に入っていれば、事前に全体の調和を考えた調整が出来て、事前に耳に入っていなければ、事後に慌てて調整をしなければならなくなるからです。


「やっていい?」
「あなたがそうするなら、それに合わせて私はこうしよう。そのように調節するからやっていいよ。」


一々こんなに言葉にはしませんが、こういうことだから事前に承認を得てくれれば「いいよ」と言えるわけです。断り無くやられると、
「何やったんだ?! 今どうなってんだ?!」となり、
「何をすればいいんだ、どう調節すればいいんだ?!」となり、
「急いであれしなくては、これしなくては!」となって非常に困ります。
で、「迷惑だ!」ってことになり、「勝手なことするな!」となります。



■キーワードは「調整」
「迷惑だ!」「勝手なことするな!」「身勝手な奴だ」、
これは、全体の調和を重んじる者が、調整する手間を掛けさせられてしまう為に出てくる言葉です。手間なのは調整です。自由主義の考えにはこの調整がありません。自由主義の者にとっては調整は自然にされるもので、その調整を人為的にするという考えがありません。だからこの全体の調和を重んじる者の調整する苦労がわかりません。わかってるにしても、そんなことしなくていいじゃんってなもんでしょう。人為的な調整に価値を見出してないのですから(つーか、人為的な調整は自由主義では悪。「しなくていいじゃん」ではなく「するな!」) 自由主義の者にとってはそんなもんより個人の自由。大事なのはこっち。一方、全体の調和を重んじる者は、個人の自由に価値を見出してない。自身は強いられるまでもなく自分で自制してるので自制が当然。なので個人の自由を気にせず抑え込もうとする。で、自由主義の者、「抑え付けんなコラァ!」・・・


調和最優先の者「迷惑だ」


自由主義の者 「迷惑掛けてない」


調和最優先の者「迷惑だから止めろっつってんの!」


自由主義の者 「抑え付けんなコラァ!」


こんな感じで両者は対立し、揉めます。とりあえず、両者が揉めることになるこの構図をご理解下さい。



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自由主義:個人の自由最優先で調和は気にしない。

民族派  :全体の調和最優先で個人の自由気にしない。


この違いが市場原理主義に対する両者の捉え方の違いや規制に対する考え方の違いに現れ、その部分で、新自由主義民族派は激しく対立してます。次回はその辺りを書きたいと思います。