東日本大震災と阪神・淡路大震災の基本法の違い


第一七七回
衆第一三号
   東日本大震災復興基本法
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g17701013.htm


阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律

(平成七年二月二十四日法律第十二号)
http://www.bousai.go.jp/jishin/law/019.html


この二つは中央政府の姿勢がまったく違う。
阪神・淡路大震災の方は、関係地方公共団体が主体となって復興を行い、中央政府は関係地方公共団体のバックアップをする。目的は早急な被害からの回復。対策本部の役割は、関係地方公共団体のバックアップ。


東日本大震災の方の目的は、被害からの回復ではなく、政府の考える「日本のあるべき姿」での新たな地域社会の構築。対策本部に置かれる東日本大震災復興構想会議が新たな地域社会の企画立案をし、復興庁がその案の実現を主導する。関係地方公共団体はそれに従う立場となる。



まず問題なのは、東日本大震災復興基本法の方には今現在困ってる被災者への当面の対策がないこと。
阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律』には阪神・淡路地域における生活の再建及び経済の復興を緊急に図るとともにとあるが、『東日本大震災復興基本法案』にはこれに該当するものがない。似たようなものはあるが、よく読むと全然違うものになってる。たとえば二条の1「未曽有の災害により、多数の人命が失われるとともに、多数の被災者がその生活基盤を奪われ、被災地域内外での避難生活を余儀なくされる等甚大な被害が生じており、かつ、被災地域における経済活動の停滞が連鎖的に全国各地における企業活動や国民生活に支障を及ぼしている等その影響が広く全国に及んでいることを踏まえ、国民一般の理解と協力の下に、被害を受けた施設を原形に復旧すること等」に続いて「の単なる災害復旧にとどまらない活力ある日本の再生を視野に入れた抜本的な対策及び一人一人の人間が災害を乗り越えて豊かな人生を送ることができるようにすることを旨として行われる復興のための施策の推進により、新たな地域社会の構築がなされるとともに、・・・」と続く。つまり緊急の被災対策としての復旧で被害を克服するのではなく、新たな地域社会の構築の結果として災害を乗り越えるようにするのだということ。これでは新たな地域社会の構築まで被災者は救われない。『東日本大震災復興基本法案』はどこもがそんな感じ。これは災害対策の基本法ではない。被災対応そっちのけの新社会構築基本法。被災者はこの法律では救われない。



この基本法は、新たな地域社会の構築を目指す法。「二十一世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指して(第二条1項)」「少子高齢化、人口の減少及び国境を越えた社会経済活動の進展への対応等の我が国が直面する課題や、食料問題、電力その他のエネルギーの利用の制約、環境への負荷及び地球温暖化問題等の人類共通の課題の解決に資するための先導的な施策への取組(第二条4項)」を行う為の法。こんな大きな目標掲げて物事がスムーズに進むわけがない。この法律は夢をふくらませすぎて、災害対応という本来の趣旨から大きく外れてしまってる。


災害対応はスピードが第一なんよ。稚拙でもいいから一刻も早くなんだよ。せっかくだからと欲掻いて時間掛かるようなこと一緒にやっちゃダメなんだよ! あっさり阪神・淡路大震災基本法そのまま使えばよかったんだ、タイトルだけ変えて。そうすりゃすぐ出来てた。阪神・淡路大震災の時より早く作ることだって出来てた。三ヶ月も経ってこんなこと言うのバカらしくて堪らないのだけど。

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政治にも緊急対応にも縁のない一般人ならともかく、政治家ならこれくらい読めばわかると思うのだけど・・・ つーか、わかって欲しい、これくらい。