これだから経済論争が咬み合わない

まず、これを読んでもらいたい。

経済ニュースゼミ
国債増発のプロパガンダ(マンパチの経産省
http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/archives/51387257.html


まず上記ブログの解説から。
「それはそのとおり。それは絶対に正しい! しかし、それが正しいからといって、政府はデフォルトを回避できるのか? そんなことはない。破綻するときには破綻する。」
で、『この議論のおかしさを証明しましょう。』と話は続く。主題は上記の文。政府はデフォルトを回避できるのか否か。


この後、国家のバランスシートの話になり、一応バランスするという話をして、、、
「問題はここからです。では、政府はその債務をどうやって支払うのでしょうか?」と続く。政府は借りた金を使ってる。だから返せない。返すには、増税かお札をするしかない。と、話は展開する。


そして
増税に関しては、増税は国民が嫌がると。
お金を刷ることに関しては、国民が返済財源を負担させられると。


で、
「つまり、バランスシートは、左と右でバランスが取れているように見えても、この場合の左側の資産は、単に絵に描いた餅でしかないのです。」


『左側の資産』とは、国民の政府に対する債権。それが“絵に書いた餅”、つまりあるように見えて実はないのだと。政府は国民に借金を返せないと。政府はデフォルトする、破綻する、となり、おかしさが証明されたとなる。ここまでがこのエントリーの要約。




さて、ここからは私の論評。
これは証明になってない。国民は増税を嫌がるでしょう。でも、だからって増税出来ないわけではない。国に貸してるくらいなんだから、負担する資産はある。国民は嫌がるだろうけど、国は強制的に徴税する力を持ってるのだから、やろうと思えば出来る。
もう一方の『お金を刷る』に関しては、筆者は国民の負担になるとしか書いてないが、おそらく国民の負担になるから国民が嫌がって出来ないと言いたいのだろうと思う。けど、これも上と同じ。嫌がるからって出来ないわけではない。やろうと思えば出来る。
どちらも、やろうと思えば出来る。やれば、返済だって出来る。デフォルトにはならない。
デフォルトになる理由の、増税とお金発行が出来ないという理由が、国民が嫌がるからってのは理由として弱すぎる。理由になってない。おかしさが証明されてない。


バランスシートが国内でバランスしてるからデフォルトしないと主張してる人の根拠は、政府に強制力を持った徴税権があり、紙幣発行権があるから。その肝心なところを国民が嫌がるというだけの理由であっさり済ませてる。これでは噛み合った議論にはならない。人の主張の否定は、ちゃんと相手の主張を理解してから行って欲しいと思う。