一企業と政府の違い。

景気とは、どれだけ多くのお金が使われるか。


コスト削減は、景気悪化要因。
使うお金が減るのだから景気悪化要因。


企業の利潤アップも、景気悪化要因。
企業にお金が貯まり、その分使われるお金が減るから景気悪化要因。


規制緩和も、景気悪化要因。
規制緩和で増加するのは供給。需要が増えるわけではない。
となるとどうなるか。安売り競争になる。
使うお金が減るから景気悪化要因。



世間で言われてることとは真逆だけど、お金の回りを考えたらこうなる。



◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇ 

 

コスト削減・利潤アップ・規制緩和


上記はどれも、一企業にとっては良いこと。
コスト削減は、他社を打ち負かす力になり、自社を大きくする。
企業の利潤アップも、自社を大きくする。
規制緩和は、業務拡張の新たなチャンス。
勝てる企業にとってはとても良い。しかし、負ける企業のことを含めて総合して考えると、プラスよりマイナスが勝り、トータルとしてはマイナス。


一企業は、自分の企業さえ儲かればそれでいい。他社から利益を奪うのは通常業務。全部奪って潰せればなお良い。他社の業績悪化で出た失業者のことなど気にかけない。だから上記が良いことになりもする。しかし、負ける企業のことを含めて総合して考える立場にある政府にとっては、そうはいかない。政府は、負ける側の企業も気にしなくてはならない。正確には、そこで働いてた人達の面倒をみなくてはいけない。知らん顔していられない。なので、トータルとしてマイナスになるなら良いこととは言えない。企業が上記の方向で頑張れば、使われるお金はどんどん減り、全体としての景気は悪化する。上記を一企業のように良いとは言えない。


一企業と政府は立場が違う。気にしなければならない範囲が違う。その為に、一企業にとって良いことが、政府にとっての良いことではないとなる。むしろ逆。一企業と政府は、本当は仲良く出来る間柄ではない。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇ 


全体の景気ということで考えるなら、
コストは高くなった方がいい。
その方が、使われるお金が増える。


企業の利益は減った方がいい。
その方が、使われないで滞留してしまうお金が減り、使われるお金が増える。


規制はより厳しくなった方がいい。
高コストを強いられ、お金がより多く使われる。低コストで勝負しようとする者を弾いて、景気悪化を招く値下げ競争を阻止する効果もある。


全体で考えなければならない政府は、一企業の真逆を目指すことになる。当然、企業には喜ばれない。もし喜ばれてたなら、その政府はどこかおかしい。



現実的には、外国企業が国のバックアップを受けて攻勢を掛けてきたりするので、自国企業を国が応援するなんてことも必要になるのだろうけど、国がそれをしてしまうとその企業以外のところにしわ寄せが行く。なので、一企業を直接応援するのでなく、外国企業に国内企業同様の規制を掛けて、国内企業が一方的にやられてしまわないよう制限するのがベストではないかと思う。で、はたと気づく。ああこれが非関税障壁だったんだなと。