乱獲と漁場保全、そして漁場開発。

乱獲が目指すのは高い収益。
乱獲は、少ない労力で大きな収穫を上げられる。
しかし、漁場は痩せ細る。


乱獲を行う者は大儲けが出来る。
一方、漁場は痩せ細る。痩せ細り、いずれ、収穫出来なくなる。
乱獲を行う者は、用済みになったそこを捨て、
新たな漁場に移動し、またそこを喰らい尽くす。
乱獲を行う者は、それを繰り返してどんどん肥え太る。
漁場はどんどん痩せ細る。
資源は次第に減っていく。いずれ収穫も減ってくる。
が、乱獲出来る間は大儲けが出来る。
後のことなど考えず、大儲けしようと乱獲する。
それが乱獲を行う者。



漁場保全が目指すのは、漁場を痩せ細らせないこと。
その為にはまず取り過ぎないことが大事。
取れるだけ取ってしまっては駄目。
漁場を痩せ細らせないよう、収穫高を加減しなければならない。取り方も、漁場を荒らさない取り方にしなくてはならない。それをする為に、調査も必要だし研究も必要。色々と手間が掛かる。よって、収穫は乱獲した時より遥かに少なく、コストは高く、儲けはささやかなものとなる。儲けはささやかだけど、漁場はいつまでも豊かで、そこでの漁で何時までも食べていける。



漁場開発が目指すのは、漁場を豊かにすること。
収穫を上げる以前に、手間暇お金をつぎ込んで、漁場を豊かにする。
最初は持ち出し。赤字。収益後回しで、まず労力をつぎ込む。
漁場が育ってきたら徐々に収穫も。そして、豊かになった漁場で、せっかく育てた漁場を荒らさないよう手入れしつつ、収穫を上げる。収穫は、乱獲した時よりは遥かに少なく、コストは遥かに高い。でも開発した分、単なる保全の時よりは儲けは多く、漁場はより豊か。そこでの漁で、以前より豊かに何時までも食べていける。




新自由主義の考え方は乱獲。新自由主義に漁場を育てるに類する考えはない。あるのは、他者の持つ富を如何にして自分のところに集めるかだけ。自分の商売だけを考えればいいビジネスマンは、これでもいいのだと思う。しかし、国を運営する者にこんな考え方をされては堪らない。新自由主義的な考え方で頑張るビジネスマンを応援されては堪らない。国を運営する者の考え方は漁場開発のようなものでないといけない。国を豊かにすることを目的とするなら、漁場開発の考え方でないとならない。
また国は、国を乱獲で荒らされてしまわないように、乱獲志向のビジネスマンに対しては抑制する方向で考えねばならない。


新自由主義を乱獲だと捉えると、新自由主義者の主張に反論しやすくなります。
「儲けることが悪いのか!」「乱獲で大儲けしちゃだめでしょ。」
「ひがみだ!」「いやいや漁場を痩せ細らせてるから非難してんだよ。」
ってな感じで。



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