枠と型

枠と型。これは決まりのタイプの話です。


枠は、この範囲内なら自由にしていいですよというもの。
型は、このようにしなさいと、やり方を定めるもの。


「歩く」の場合だと、
この範囲内なら好き勝手に歩きまわっていいですよというのが枠。
背筋伸ばしてキビキビ歩きなさいというのが型。


枠の場合、範囲内(枠内)であれば自分の好きなように行動出来ます。
でも枠の外に出ることは許されません。
枠外に出たら、違反となり、取締まられます。


型の場合、範囲は関係ありません。どこまででも行けます。
でも常に定められたやり方をしなくてはなりません。
定められた以外のやり方をしたら、違反となり、取り締まられます。


枠の場合、枠内であれば取締りを気にせず、自由に行動出来ます。
型の場合、どこにいようと常に取締りを意識していなくてはなりません。


一方、取り締まる側。
枠の場合、枠から飛び出したものにだけ目を光らせます。枠内はノータッチです。
型の場合、全てに目を光らせます。定められた通りにやっているか、常に見ています。


全てを思い通りにしたい支配者は、型のタイプの決まりを作りたがります。
「ああしなさい」「こうしなさい」、そして「それ以外は許しません」。
こうすることで、被支配者の行動を自由にコントロール出来ます。
支配者は、型のタイプの決まりが大好きです。


一々口出しされたくない民衆は、型のタイプの決まりは嫌います。枠内での自由度の大きな枠の決まりを好みます。枠外には出られませんが、もともと出るだけの力持ってませんから気になりません。また、民衆の個々は、大した力を持っておらず、一定の範囲内でしか対処出来ません。ですので、対処出来る範囲を超えることを他の者にやられるのを嫌がります。この意味でも、枠のタイプの決まりを好みます。


大きな力を持つ支配者は、枠のタイプの決まりは嫌いです。その枠を容易に超える力があるのに、やってはいけないとなって窮屈だから。



枠と型、ざっとこんな感じ。同じ決まりでもこの二つのタイプはまったく違います。この二つを切り分けて考えると、物事がわかりやすくなります。
一緒くたにして考えると、わけがわからなくなって、無茶苦茶難しい話になります。現実にはそんな話ばかりがされてます。。。。