トリクルアップの好景気、その後の不況

●企業は、詰まるところ最終消費者である庶民から収益を上げています。


●売上が落ちる中、企業は収益を維持する為、労働者の賃金を減らします。


●労働者=庶民です。


以上の3つを踏まえて。
賃金が減った庶民は可処分所得が減って消費も減らします。ただし、必要な出費はしないわけにいかないので、貯蓄がある間は取り崩して消費に回します。死蔵されてたストックがフローに変わるわけです。フロー増加です。庶民に貯蓄がある間は、フローが増えて景気が良くなります。好景気です


この好景気の中、企業は収益を増やします。企業上層部は高収入を得るようになります。しかしその収益は末端労働者の賃金には反映されません。コストダウン目的で可能な限り下げられます。庶民の貯蓄はいずれ尽きます。倹約せざるを得ません。庶民の消費が一気に落ちます。
庶民の消費は落ちますが、この段階では企業上層部が高収入による蓄えを持ってます。高収入で得た大金を元に、高価な買い物を行います。高級外車がバンバン売れたりなんてことにもなります。庶民は消費を減らすが、金持ちはバンバン使う。トータルで見ると消費は増加となったりもします。見た目かなりの好景気です


とは言え庶民の収入は減ったままです。企業はそこから収益を挙げられません。そのままにしてると収益が減りますので、他社に回ってた収益を自分のところに取り込もうとします。その取り込む手段は値下げです。全体の収益は減るのですが、全体が減ったとしても自分のところに多く取り込めば収益を維持出来ます。それを狙って安売り合戦を繰り広げます。

安売り合戦はトータルの収益を減らします。こうなると企業上層部だって高収入を得ることは出来なくなります。
安売り競争に負けて、会社が倒産したり人員整理でクビ切られたりでいきなり失業者になったりという人も出てきます。
収入が減ったり失業したりしても生活レベルはそう簡単に下げられません。大量の蓄えもあるでしょうから、それを取り崩して凌ぎます。死蔵されてたストックがフローとして出てきます。庶民はヒーヒー、少し前の高給取りもアップアップ。でもまだトータルの消費は落ちません。まだ一応好景気です


少し前の高給取りの蓄えも徐々に細ります。庶民はもう虫の息。フローとして出てくるストックが底を尽いてきて、さすがに消費が減ってきます。企業は収益を上げることが出来なくなっていきます。


お金がなくなったわけではありません。お金は生き残った高給取りの手にどんどん溜まっていってます。これまでにない程に溜まってます。このお金は使い切れない程に有り余っているお金です。あまりにも多過ぎて消費には回りません。このストックとなったお金の分、フローは減ります。景気は悪くなっていきます。。。



これが『いざなぎ越えの景気』以降の展開だったのではないかと私は見ています。如何でしょう、この見方。色々辻褄はあってると思いますがどうでしょう。