基本はなかなかわからない。

世の物事は大抵複合的。色々なものが、複雑に絡み合ってたり、溶け込んでたりして、それを構成してる要素が何かは、なかなかわからない。この、なかなかわからない構成要素の内の幹に当たる中心的構成要素が所謂基本という奴。
基本というのは、全体を理解して、理解した上で再度見直して、分析して、初めて認識出来るもの。だから、基本だとされるものが本当に基本だとわかってる者は少ない。普通は何が基本だかわからない。基本を知らないのが普通。


基本を知らなくても普通は困らない。だから普通は考えもしない。しかし、普通以上のことをしようとなると、基本というのが非常に大事になってくる。普通以上のことをするには、基本からやり直していかなくてはならないから。必要に迫られて基本に辿り着き、辿り着いて初めてそれが基本なんだとわかる。


たとえば絵。基本はと言えばデッサン。
基本はデッサンなのだけど、普通はデッサンなどやらずに絵を描いてる。それでも普通に絵は描ける。デッサンなど知らなくても普通は困らない。しかし、絵が上手く描けるようになりたい!となると、デッサンをやらねばって思うようになる。そこで初めて、デッサンが基本なんだと知ることになる。


歌。基本はと言えば腹筋(異議もあろうが、歌は素人の私にゃこれしかわからん) 基本は腹筋なのだろうけど、普通はそんなもん気にせず歌ってる。それでも普通に歌える。腹筋など鍛えなくとも普通は困らない。しかし、歌を上手く歌いたい!となると腹筋を鍛えねばと思うようになる。そこで初めて腹筋が基本なんだと知ることになる。



茶道の基本、華道の基本、弓道の基本等々、私はこれらはまったくやってないので、何が基本なんだか皆目わからない。基本というのはそういうもの。基本的なことは簡単だとか、わかって当然なんて思うのは大きな思い違い。基本はそう簡単にはわからない。


デッサンも腹筋も技能面での基本で、芸術表現としての基本となると多分また別の基本があると思う。私はその基本がわかるところまで絵も歌も理解してない。理解してないので見直しようも分析のしようもない。なので何が基本かわからない。教えられても理解までは出来ない、得心が出来ない。基本とはそういうもの。



基本が重要となるのは、悪い部分を正す時。悪くなってるのは基本が出来てないから、基本の部分がおかしいから。だから、何かが悪い時には基本に立ち返って、基本から正すことが必要になる。その時に基本が何かがとっても大事なことになる。


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