相手の考えで理解する


議論で大事なのは、相手の意見を理解することです。
(ここでいう理解とは、相手の考えを、相手が考えてる通りに正しく捉えることであり、相手の意見に賛同することではありません。)
これが出来ないから噛み合った議論にならず、不毛な議論になるのです。


意見の異なる相手は、自分とは違う考え方をします。その考えを理解することは簡単ではありません。非常に難しいのです。通常、誰もが自分の考えで物事を理解しようとします。相手の考えを理解する時はそれではいけません。自分の考えを一旦脇において、相手の考えで物事を理解しなければなりません。これが出来ないと相手の考えを理解することは出来ません。


相手の考えで物事を理解する。


これをするには、まず相手の考えを知らねばなりません。
相手の考えを知る方法は、相手の意見を良く聞くことです。
次に、聞いてわからなかった部分についての質問をすることです。
これらによって相手がどんな考え方をしているかを探ります。


探る方法は逆算です。相手は、自身の考える正しいと思う意見を述べてます。ですので、相手の意見が正しくなるような理論構成はどういうものかを考えれば、相手の考えを知ることが出来ます。その理論構成で考えて、相手の意見と同様のものが導き出すことが出来たなら、相手の考えを正しく理解出来たということになります。相手の意見と違うものになれば、まだ正しく理解出来てないとなります。正しく理解出来ていない場合は、なぜ相手の意見と同じものにならないかを考えて、相手に問います。そして、相手の考えを正しく理解することに努めます。


ここまでが、議論の最初の段階である意見を聞いての質疑応答です。ここまでで目指しているのは相手の考えの理解のみです。自分の考えを脇において、相手の意見を理解することのみに専念します。自分の考えを脇におくのですから、異議も反論も批評も無しです。


この相手の意見を理解する努力を、ほとんどの人がしません。相手の考えを理解することは本当に難しいのです。一生懸命やってもなかなか出来ないことです。それを、多くの人がしようともしていないのです。これで相手の考えがわかるわけがありません。相手の意見が理解出来るわけがありません。相手の意見が理解出来ない者が、その相手の意見に合わせた反論など出来るはずがありません。必然、噛み合わない議論になります。相手の考えを理解しようとしないことが、噛み合わない議論となる原因であり、そんな噛み合わない議論が、不毛な議論と呼ばれるものです。


議論において、相手の意見を理解する努力は不可欠のものです。これをしないと咬み合わない不毛な議論になります。相手の意見を理解する努力をして下さい。異議を唱える前に、反論する前に、批判をする前に、相手の意見を理解する努力をして下さい。


人気blogランキングランキングバナーこれは他の場所に書いてたものです。色々なところで書いていることなので、このブログにもこれを書いたエントリーがあると思っていたのですが、探したらありませんでした。なので急遽転載。mary_0423さん、私が求めてるのはこういう理解する努力です。