浮世離れした理屈

デフレは不況の原因ではない
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よくあるのは藤井聡氏のように「デフレで物価が下落すると収入が減る」という話だが、これは錯覚だ。収入が1%減ると同時に物価が1%下がれば実質的な収入は同じだから、予想されたデフレは実体経済には何の影響も及ぼさない。工学部の教授である藤井氏が、こんな算数もできないはずはないだろう。


「収入が1%減ると同時に物価が1%下がれば」なんて言ってるけど、実際にはこんなに単純ではない。

経営者や大企業が収入(収益)の1%減少を大人しく受け入れるわけがない。収入を落とさない為にコストダウンを行う。結果、収入は維持するか、むしろ増加させる。そのしわ寄せは従業員や下請け企業に回り、そこでは収入は1%を上回る減り方をする。従業員や下請け企業にしても、それを大人しく受け入れるわけではなく、更に下に回して収入の維持を図ろうとする。こうして末端は1%どころではない収入低下となる。「物価が1%下がれば実質的な収入は同じだから」なんて、こんな単純な算数しちゃいけません。

末端は貯蓄する余裕など無く、収入のほとんど全てを消費に回します。収入はほぼ全てがフローとなります。収入の低下は即フローの低下です。実体経済に大きな影響を及ぼします。