好景気・不景気と規制

経済活動が盛んになるのは、状況に変化があった時。
規制緩和で経済活動が盛んになるというのもそれ。
必要なのは緩和ではなく、変化。
緩和でもいいが、強化でもいい。
規制が強化された場合も、その規制に対応する為に
新たな経済活動が起こり、経済活動は盛んになる。


ちなみに「経済活動が盛んになる」とは、お金の移動が増えること。
規制の緩和や強化でお金の移動が増えるのは、改変前に
得してたところから、改変後に得するところにお金が動くから。
得してたところの貯えが、
規制改変によって放出を強いられ、それを新たに得するところが掻き集める。
それが新興企業の躍進という好景気の証拠みたいに語られる現象になったりする。


その反対には、貯えの放出を強いられるところが必ず存在し、
そこは当然ながら貯えを減らす。
ただ減らすだけで済まず、ジリ貧となって破綻するところが出てきたりもする。
これらは好景気の影に隠れて顧みられない。
注目を集めるのは富を掻き集める側ばかり。
そして、社会全体が好景気として人々に認識される。
もちろん、貯えを減らす側は好景気を実感出来ない、当然ながら。


状況の変化への対応が進むと、新たな状況が既存の状況、常態となり、
対応の必要が減って、経済活動は大きな動きをしなくなる。停滞する。
長期間放出を強いられた側が弱体化したり破綻したりすると、
掻き集めてた側も、集められるお金が減って、不景気となる。
誰もが不景気と認識する不景気となる。


不景気となったからといって、お金がなくなるわけではない。
それまでに富を貯えた人々は、不景気となっても大量の富を抱えてる。
その富が抱え込まれて世間に出てこないから、お金の動く量が減り、
不景気と認識される状況になるだけ。お金は変わらず大量にある。


株価とか時価総額とかの増減は別。
その金額は個々人の思惑で借金分も含めて膨らませたもの。
実在する富とは別の、想像上の富。


以上のことから、景気を良くする方法は、
富を抱え込んでる者に貯えの放出を強いる規制の変更を行うことだと考えられる。


富を抱え込んでる者はこの変更を嫌がる。
嫌がられるからやらない、出来ないなんて言ってると景気は良くならない。
嫌がるのを無理矢理強いなければならない。
また、ちゃんと放出を強いる規制の変更でなければならない。
とはいえ、嫌がって富を抱えて逃げられたら元も子もない。
どのような規制の変更にするかは、よく考えねばならない。


ただの嫉妬心で、金持ちをいじめてやろうなんて考えでやったのでは上手くいかないと思う。